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「筆者」を使うWebライターは素人丸出しだから、やめたほうがいい

大橋博之
「筆者」を使っている原稿を読むと『ああ、素人だな』と思う。「筆者」としているWebメディアの編集者のことも『素人の編集者なんだろう』と思ってしまうのだ。

筆者を使うなら拙者の方がいいと思う

「筆者」を使うWebライターは多い。
「筆者」とある原稿を見るとげんなりしてしまうのは僕だけだろうか?
僕は「筆者」とあるとためらうことなく、「私」や「僕」に書き換える。

友達に聞くと「Webでは筆者を使っているのは多いですよ」と言う。
でも、雑誌や書籍、いわゆるペーパーメディアで「筆者」なんてのはまず、使わない。

「筆者」を使うのなら「拙者」の方かまだシャレていると思う。
「拙者は、恋愛には甘いシチュエーションが欠かせないと思っているのでござるよ」
とか・・・。

いろいろと誤解あるようだ

「筆者」で検索して出てきた「気になる「作者」と「著者」と「筆者」」という記事を読んで、う~むとうなってしまった。
気になる「作者」と「著者」と「筆者」
【気になる言葉】シリーズ第52回。
 書物や文章などを書いた人を意味する「作者」と「著者」と「筆者」。
 どう使い分けるのか「類語例解辞典」で調べてみました。
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【1】「作者」は、創作的内容の書物や、脚本などを書いた人をいう。また、彫刻や絵画などの芸術作品についてもいう。
【2】「著者」は、ノンフィクション、学術書、案内書などを書いた人。
【3】「筆者」は、ある内容の文章を書いた人。新聞、雑誌などの、事実の報告でなく、ある主張をもつ部分などを書いている人などにいう。
——————————

 平たくいうと、「小説」を書いた人は「作者」、「ビジネス本」を書いた人は「著者」、「論文」や「コラム」を書いた人が「筆者」というわけです。

 ビジネス本を1冊出版しただけで、自分のことを「作家」とおっしゃる方がいます。
 「作家」とは「芸術作品の制作をする人。また、それを職業とする人。特に、小説家」のこと(デジタル大辞泉)。
 小説を書いたわけでも、それを職業としているわけでもないので、「作家」とは名乗らない方がいいと思いますよ(笑)

出典:http://ono-grandpa.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-4d58.html

作者も著者も筆者も意味は一緒。文章を書く人のこと。
「作者」「著者」「筆者」を定義することにあまり意味はないと思っている。
ビジネス本を1冊出版しただけでも自分のことを「作家」と名乗ってもいいと僕は解釈している。
ちなみに、出版社では単行本を出した作家のことを「著者」「著者さん」と呼ぶ。

大切なのは自分が自分をどう呼ぶか?だと思っている。
知る限り日本では、その人の気分で、ライターとか作家とか小説家を名乗っているように思える。
ノンフィクションライター、ノンフィクション作家、ルポライター、ジャーナリスト。 作家、小説家。
どれが自分の気分にぴったりくるか?というだけの話。
ノンフィクション作家の方がノンフィクションライターより偉いとかもない。

僕は自分では「ライター」と通常は言っている。掲載する場所によって「研究家」を名乗るときもある。ジャーナリストの方がかっこいいかな~とも思っているのだけれど、そんなにジャーナリステックな仕事をしてないし。といってもそれは僕が持ってるイメージだけの問題。名乗る分にはいっこうにかまわない。むしろ、ほかの人がどう思うか?の方が大切かもしれない。

ちなみに、「日本文藝家協会」は英語表記を「THE JAPAN WRITERS’ ASSOCIATION」という。僕が所属している「日本SF作家クラブ」は「SFWJ : Science Fiction and Fantasy Writers of Japan」。
海外では小説家もライターも総てライターで統一されている。シンプルで解りやすい。

筆者を使うのはなぜだ?

話がずれてしまったので戻そう。
「筆者」を使うのは学術論文くらいだけではないだろうか。学生時代に筆者と書くのに慣れた人がWebでも筆者と書くようになったと思われる。
それになんか、「筆者」と書く方が偉いように思える。
「筆者は考えるに、偉いのである」みたいな。

「Webでは筆者を使っているのは多い」とはいえ、だから「筆者」を使うというのはどんなものだろうか?
使うのは間違ってはいないが、どうも素人ぽく感じてしまう。
使うなら「私」「僕」の方がいいと思う。

もっといいのは一人称を使わないこと。
なにも「私はこう思うのです」と書かなくとも「こう思うのです」でOK。
Webライターのプロを目指すなら、一人称を使わないようにする方がいいように思う。

ちなみに、寒くなってきたのでアイキャッチを温かいイメージにしてみた。
大橋博之
フォークラス・メディア編集部【ライター・エディター・プランナー】『Webライター入門』(技術評論社)を監修。著書に『SF挿絵画家の時代』(本の雑誌社)、『心の流浪 挿絵画家・樺島勝一』(弦書房)などがある。 twitter@garamonmini
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